私が初めて古民家のリフォーム改修に携わらせて頂いたのは、築100年前の古民家住宅でした。 これから始まるご家族の新生活の中で若い夫婦が生活するプライベートな空間と親戚⼀同が集まる空間とを分けることがこのリフォームの⼀番の課題になりました。 建物は古民家特有の田の字型で襖や障子に仕切られたシンプルな造りで、⼀つの空間で皆が集まり生活を共にするスタイルが多くみられましたが、現代では各個人がそれぞれ部屋を持ち、家族の中であってもプライベートな空間が必要とされるスタイルに変化しています。古民家の良さを生かし現代風に住みやすい空間を作る為、⼀度部屋の壁を取り除き間取りを無くしました。すると、天井裏に隠れていた太い梁、桁が重なり、重たい屋根を支える骨組みが目に留まりました。 これが、100年もの間この建物を支えていたのかと感動したのを今でも覚えています。 未来の子どもたちの為にこの家を残すため昔の技術の良さと現代の技術を組み合わせ計画していきました。 これからは、未来の子ども達に伝統的な木造建造物を残し引き継ぐためには、先人達の知恵や技を学ぶことはたくさんあります。古民家は長い歴史を経た木造建築物です。私たちはこの古民家に伝統的耐震診断を活用し、現在の技術と組み合わせ耐震改修を提案することで、より安全で安心のある古民家を未来の子どもたちの為に残していきたいと思っています。

一般社団法人日本伝統再築士会福岡支部 代表理事 乾 智雄